発達障害のお子さん、特にADHD(注意多動性障害)のお子さんは「落ち着きがない」と言われています。
私の子供はADHDではなく、自閉症スペクトラムですが、目に見えるもの、耳に聞こえてくるものの刺激を受けやすく、気になってしまいます。
なので、何かを始めるのにも、同じ年頃の子と比べて時間がかかりやすいし、取り掛かっても集中しにくいのでつい脱線してしまい、別のことを始めてしまうことがよくあります。
昨年の夏前から冬にかけて、そんな息子の特徴が多くなり、宿題や出かける準備などが大幅に時間がかかってしまっていました。つい子供を怒ることが増えてしまったり、子供が自己嫌悪で泣いてしまったり…ということが多々ありました。
集中しにくいのは、もとからある息子の特徴ですが、その特徴が増えた原因は特性以外のところにあった、、、そんな話をしていきたいと思います。
「落ち着きがない」の発達特性、頭の中では何が起きている?
発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害が原因で起こる発達の遅れや偏りによって起こります。
例えば、レストランに行って一緒に来た家族や友達と話をしているときには、脳の中では、音を選択して拾っています。
- 別の席で会話をしている人の声。ざわめき
- 食器の触れ合う音
- ドアの開け閉めの音
- 店員さんの呼び出し音
こういった雑音は、脳の中で自動的に「聞かなくていい音」と認識して、家族や友人の声を優先的に受け取る処理をしていることで、スムーズに会話が楽しめます。
発達障害のある息子の場合は、こうした雑音を脳の中で「聞かなくていい音だよ」と処理することが難しく、どんな音でも「聞かなきゃ!」と脳が拾ってしまうようです。
- 話しかけているのに、話しかけられたことに気づかない。何度か話しかけてやっと返事をする
- 他の席での店員さんとの会話に反応してしまう
ということがよくあります。
音だけでなく、目から見えるものに対してもそうで、
- 店員さんが隣の席に注文を取りに来たら、気になってしまう。
- ファミレスでドリンクバーを取りに行って、周りの人の動きを見ていて時間がかかる
- テーブルに置いてある調味料をなんとなくいじってしまう(そして、こぼしてしまう)
という感じです。
「落ち着きがない」は特性以外で原因はないの?
昨年7月はじめ頃から12月くらいまで、そうした息子の特徴が大きくなっていて、何をするにもより時間がかかり、また、脱線することが大幅に増えていました。
それが始まったのが、夏休み前の7月。
ちょうど放課後デイに通い始め、生活パターンが変わったのもあり、落ち着かないのだろうと思っていました。しかし、夏休みが明け9月が終わって10月になっても、11月が過ぎてもなかなか、落ち着いて来ませんでした。
どうしてかな?と思っていたとき、学校からのおたよりで原因がわかったのです。
それは「視力の低下」。
春に学校の眼科検診で息子の視力の低下を指摘され、メガネを作っていたので、全く想像していなかったのですが、ちょうど成長期というのもあり、更に一気に視力が進んでしまっていたようです。
眼科の先生によると、成長期には視力も一気に進んでしまうことがあるそうです。
目が見えにくいことでの不快感から落ち着きの無さが助長されていたように思います。メガネを作り直してからは落ち着きのなさが和らぎました。毎日少しずつ視力が低下していくので、本人も表現できない不快感があったろうと思います。
まとめ
今回のことで、「落ち着きのないところ・周りの刺激に弱くて脱線しやすいところ」は息子の発達障害上の特性ではあるけれど、それを起こさせる原因は「発達障害だから」だけではない、ということを感じました。
落ち着きがない、すぐに脱線してしまうことに対して、「特性だから」と、なるべく刺激を少なく環境を整えるということも大切ですが、「特性だから」に囚われすぎずに
- 体調の悪いところはないか?
- 怪我や痛むところはないか?
- 睡眠はしっかり取れているか?
- 視力はどうか?
- 耳は聞こえているか?
- 便秘や下痢はしていないか?
こういった、どの子供でも気をつけるポイント、体調の管理って必要!と改めて思いました。
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